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「まずはあなたのクリックに感謝します、そして初めまして。
アテンションプリーズ! ニューヨークです」 |
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「ロンドンです」 |
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「パリスです」 |
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「私たち」 |
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「(声をそろえて)ファーストクラスです!(一斉に紙を取り出す)」 |
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「さて二人とも? 皆さんずいぶん呆気にとられているようだわ。
どうやらここは一つ、まずは私たちのお役目から説明してさしあげないと」 |
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「ニューヨーク、まったくだわ。ものごとには順番ってものがあるもの。
出会ってその場でキスってわけにはいかないわ」 |
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「あらロンドン、今日のあなた、まるっきりしおらしいのね。
いつものあなたとずいぶん違うじゃない?」 |
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「パリス、それはお互いさまだわ。あなた今日は4時間も
メイクしてただけあって、いつもとは別人じゃない」 |
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「ロンドン、言ったわね!」 |
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「ちょっとお二人さん。その下らないケンカが終わるまで、
皆様をお待たせするつもりなの?」 |
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「(「しまった!」のポーズ)」 |
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「それじゃ早速、私たちのお役目を説明しましょ。
私たちファーストクラスは、
一流の、一流による、一流のための情報を」 |
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「一流の視聴者である皆様のために」 |
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「月曜日から金曜日まで、毎日欠かさずお届けします!」 |
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(三人、顔を見合わせて拍手) |
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「うまく決まったわ。練習の甲斐があったってものね」 |
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「そうねニューヨーク、あなたの言う通りだわ。
(そっぽを向いて)もっともこれが12テイク目なんだけど」 |
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「ロンドン、空気を悪くするのはやめて!」 |
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「大、丈、夫。一流の視聴者の皆様なんだもの、
これぐらい、大目に見てくれるわ」 |
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「だけどニューヨーク、一流、って一体どういうことかしら?」 |
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「そうよ。それに(カメラをさして)あの人が一流だって
証拠がどこにあるの?」 |
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「その答えはいずれ分かるわ。とにかく今は、動き出すときよ。
一流の女を代表する、私たちがね」 |
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「(うなづいて)」 |
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「さあ、皆様に一流の情報をお届けするわよ!」 |
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「(声をそろえて)ファーストクラス!」 |